高校時代の親友の岡本さん(現東北大学大学院法学科教授)から宅配便が届いた。彼とは年賀状の交換を毎年しているが25年近く顔を合わせていない。彼の端正な書き字を見ると時間の隔たりと物理的距離が急速に縮んで、何故か高校・大学時代と同じ心で向かえる不思議な力を持っているのです。
記念論文かなぁと思って開けたら、彼の歌集「蠍の火」でした。高校時代から、歌人・詩人であり、文学者であり、哲学者であり、音楽愛好者であり、学者であった彼がそのまま飛び込んできました。
私は大学を出てからはずーっと俗そのものの世界で生きてきたからか、感性が鈍化していて、詩歌を詠むだり、愛でる力はありません。本人は真面目に俳句を作ったつもりでも川柳だと言われる私でさえ、歌集から彼のこれまでの生きざまが文字から離れ視覚として連続して見えてくるのはどうしたことでしょう。
私人として学者としての悩み・苦しみ・絶望・チャレンジそして諦観とやすらぎが圧倒的な力で押してきました。私の文章力では表現できません。
全く歌の対象は違っているのですが、何故か鈴木真砂女の歌集に接している時に響いてくる「生への真摯な心」と似た心象を感じました(鈴木真砂女と一緒にされては岡本さんには失礼かもしれません。詩歌であれ、小説であれ世に出た時点で感性の責任は作者から離れるものですから、許してくれると勝手に思っています)
心に沁みる歌集有難うございます。
これから、じっくりと一つ一つの歌を味わい直したいと思います。

【岡本 勝歌集 蠍の火 まひる野叢書第261編 短歌新聞社発行 2500円税込】
【余談】題名を「蠍の火」としたのは、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」に出てくる赤い蠍の話に因んだとのこと。少年の頃、自己犠牲を厭わぬ他社への崇高な愛に心うたれ、自分も斯くありたいと願ったからであると「あとがき」で書いています。
学生時代には読んでも強烈な印象が無かった宮沢賢治の世界が、岩手勤務時代に強く心に響くようになった。リタイヤー前の山梨の単身赴任の時には、お風呂でも読める文庫本「銀河鉄道の夜」を買ってきて、バスにつかりながら何度も読み返しました。
昨年の10月23日のブログの「本屋での感想」で軽くふれたように、宮沢賢治に関する本をときおり買っています。
彼の作品で大好きなのは「注文の多い料理店」です。理由は
何度も通った宮沢賢治記念館の横のお土産屋で山猫軒のストラップを買って携帯電話につけています。また、「注文の多い料理店」をモチーフにしたバンダナを登山で使っています
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